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2006年06月08日

焼け跡に咲く魂の花・4

焼け跡に咲く魂の花・4
(写真は昨日発売の「デラシネ・チンドン」。)

“うた”が消えた場所ほど、本当に“うた”を必要としているのかもしれません。


“うた”が消えた“にんげん”たちの居場所。
そんな場所にモノノケたちは、現れます。

“うた”を届けに!

神戸の震災で、チンドン形式という「うたの原点」を身に付けてから、ソウル・フラワーの活動場所は一気に広がっていきました。
なにしろ、ホールも音響施設もいらないのです。

ただ、唄者とチンドンがあって、“うた”を必要とする聴き手がいれば、それはどこでもライブ会場なのです。


そして彼らは、震災をとおして、「国」というものがいかに、在日外国人や障害者やホームレスなど、「中央」からみて「異質」なひとびとを排除しているのかの実態に気がつきます。


また、チンドン形式で各地の民謡や戦前・戦後のはやり唄を唄っていく中で、曲の背景をも探っていきました。
そこには、「国」や「権力」が排除してきた、決して「正史」では語られない“民衆”や“ひとびと”の生き様がありました。
たとえ社会の隅っこでも、必死で生きているひとびとの、願いや抵抗の歴史が“うた”にはこめられていたのです。


例えば、演歌
演歌の始まりは、現在のものとはまったく違い、「演説」の延長としての一種の大道芸でした。
戦前の国家による言論弾圧で、演説ができなくなり、その代替手段として路上でバイオリン片手に演説内容を唄にのせたものが始まりだったのです。

また、労働歌や革命歌は、戦前には歌っただけで一月以上も留置所に拘留されてしまうものが多数ありましたが、それでも“民衆”によって歌い継がれてきました。
そんな歌を、ソウル・フラワーは次々と発掘していきます。


モノノケ・サミットの1stアルバムのタイトルは「アジール・チンドン」でした。
「アジール」とは「避難所」のことです。
震災の焼け跡の、まさに避難所でのライブを中心としたアルバムです。


震災当時のことを、ヴォーカルの中川敬は小田実の言葉を借りて、こう語りました。


『開発の美名の下、人間(国家)が自然を「いじめ」続けたツケが最悪の形で跳ね返ってきているような気がします。

また、今回の大震災で国家というものが如何に実体のないものなのかもハッキリしました。

被災者同士の思い合うつながり、ボランティアの人々の暖かい行動力に、あるべき人間の実体を見たような気がします。

立て掛けていた鏡がこなごなに割れ、CD等が散乱し、揺れの恐怖を実感として受け止めた我々にとって、阪神地方の人々が置かれている現状は他人事と思えません。

「自分の無力に徹してあらゆる手段を使う((c)小田実)」

人々の"つながり”をもっと“立体的”なものにしたいと思います。

まずは自分に出来ることから。


ソウル・フラワー・ユニオン
中川 敬 』




そして、2ndアルバムは、「レヴェラーズ・チンドン」。
辞書でひくと、以下のようにありました。

lev・el・(l)er
━ n. 水平にするもの; 地ならし機; 平等主義者, 差別撤廃主義者.


このアルバムには、まさに、「水平社宣言」で知られる、部落差別撤廃を目指すために唄われた「水平歌」なども収録されています。



この頃から、彼らは毎年大阪の釜ヶ崎、横浜の寿町といった“ドヤ街”で無料のライブを始めます。

「ドヤ街」とは、日本社会から(意図的に)忘れ去られた、いわばスラム街です。
日雇い労働者、浮浪者、精神障害者、外国人労働者、など社会構造や福祉制度から外された“にんげん”たちが住む場所です。
(よーかい自身、大学時代一時期横浜寿町のフィールドワークをやっていたので、ドヤ街の住人たちには親近感があります。)


そして、関西ではまだ根強く残る被差別部落でのライブも行っていきます。
もちろん、“にんげんの解放”への唄を。


さらには、北朝鮮、独立直後の東ティモール、東アジア最大のスラムであるフィリピンのスモーキーマウンテン、パレスチナ難民キャンプなどでのライブ活動も行っていくのです。


そもそも「モノノケ」はつねに「周縁」に存在し、境界を軽々と越えていく存在です。
(蛇足ながら、「よーかい」も同じです。笑)
そんな風に、ソウル・フラワー・モノノケ・サミット(&ソウル・フラワー・ユニオン)も、国境を軽々と越えていったのです。


そこが被差別地域であろうが紛争地帯であろうが、関係ありません。

だって、誰がどんな区分けをしようが、そこには分け隔てなく

“うた”を必要とする“にんげん”たちがいるのだから。



(も、ちっと続きます!)


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Posted by チバりよ at 14:55│Comments(0)よーかい
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