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2006年11月14日

いつか風になる日

いつか風になる日
写真は、元ちとせのアルバム「ノマド・ソウル」です。(「いつか風になる日」収録。)

この曲は、2003年夏に、竹之内豊と仲間由紀恵が出演したauのCMで使われたので、覚えているひとも多いと思います。
「それぞれの夏/沖縄」篇「それぞれの夏/北海道」篇があり、特に沖縄編は曲と映像がぴったり合っていたように記憶しています。

広い空の北海道、海風吹き抜ける南の島々。
そんなイメージで「私も風になる」と唄っている爽やかな曲だと思っている人も多いと思います。

「癒し系」と評されもしているようです。


でも、実はこの曲で唄っている世界観は、多くの人がイメージしているものとは別物であることは皆さんご存知でしょうか?d( ̄ー ̄*)ニィ

まず、歌詞を見てみましょうね。(≧ω≦)b

この曲の作詞は元ちとせ自身ではないのですが、元ちとせの出身地である奄美大島の風習をイメージしてできた歌詞だといいます。

『1.何故に陽炎はゆらめいて
   黄泉へと誘う澪標か

   遙か紺碧の空と海
   すべてをのみ込むあの蒼さよ

   還らぬ日の想いを胸に抱く季節(とき)
   儚き泡沫のような運命のものたちも

   果てしない輪廻を彷徨えるのなら
   いつもずっとずっと傍にいてあげる


 2.赤い花弁が落ちる瞬間(とき)
   数多の生命が誕生れ逝くの

   幾千の歳月を波が弄ぶ
   麗らかな陽の中で私も風になる

   大空を花が埋め尽くすように
   海をもっともっと抱きしめてあげる


   やがてきっときっと永遠は刹那に去って
   だけどずっとずっと此処にいてあげる
   ただ風が吹いている 』



キーワードは、
「黄泉」、「儚き泡沫のような運命」、「輪廻」、「数多の生命が誕生れ逝く」、「幾千の歳月を波が弄ぶ」…などです。

こうした状況から、「麗らかな陽の中で私も風になる」と唄っている状況を、もう一度目を閉じて想像してみてください。



……なんだか、ちょっと怖いような、深淵に引き込まれそうな感覚に包まれませんか?

そう、

この曲が唄っているものは、

ずばり、

風葬

なのです…!(*'∇')ウフフフフ



昔から、奄美から沖縄にかけての琉球弧の島々では、一部で土葬もありましたが、葬送方法は風葬が一般的でした。

実際、いわゆる日本「復帰」の、奄美では1953年、沖縄では1972年までは最もポピュラーな葬送方法でした。

風葬の場所は、海岸の岩と岩の裂け目の洞窟状になった風通しの良い場所が一般的でした。
だいたい、先祖からの共同墓地のようになっていることが多かったようです。
(※死産の赤子は、一種の「穢れ」とも考えられていたようで、また独自の葬送場所にひっそりと人目を避けて置いておかれたようです。)


亀甲墓に埋葬されるようになっても、半風葬状態で墓の中に死体が置いておかれ、一定期間を過ぎてある程度風化してから泡盛で洗骨し、厨子瓶に入れられました。

多くの島々のお墓の入り口は、海の方角を向いています。
これは一つには、半風葬状態にする際に風通しが良いようにということがひとつ、そして、死者の魂が、海の向こうの楽園ニライカナイへと渡っていくことができるようにという思想もあったようです。


さて、元ちとせ自身は、FM番組のインタビューでこう語っていました。(以下は要約)

「奄美では昔は風葬が行われていました。
いまではもう火葬が一般的になってしまったけど、私は昔ながらの奄美の風習にすごく憧れるんですよ。
亡くなった後も、風になって、自分の大切な人たちや島の自然とともに、ずっとそこにいる。
それって、すごく素敵なことですよね?」


たしかに、素敵なことだとよーかいも思います。(‐^▽^‐)



『やがてきっときっと永遠は刹那に去って
 だけどずっとずっと此処にいてあげる
 ただ風が吹いている 』

(「いつか風になる日」より。)


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Posted by チバりよ at 11:07│Comments(7)よーかい
この記事へのコメント
うん、もしも、昔から埋葬のしかたが火葬だったら、こういう唄は生まれなかったかもしれないね。
風葬ってことは、イコール鳥葬だよね。
死んで獣に食われる、ってのも、なかなかオツなものかもナ…。
藤原新也の「メメント・モリ」の中に、インドで死んだ人が犬に食べられてる写真が載ってたけど、そのキャプションが「ありがたや、ありがたや、骨の髄まで、よくぞ喰ろうてくりゃんした(うろ覚え)」。そんな心境なんだろナ。
火で焼かれるよりいいかもナァ…。
できるなら、厨子瓶に入らずに、ずっとそこにいたいな。

>いまではもう火葬が一般的になってしまったけど

え?「一般的」ってことは、必ずしも火葬にしなくてもいいってこと?
Posted by かり管1号 at 2006年11月14日 11:50
>かり管1号さん

「メメント・モリ」、大好きな写真文集です~♪(^▽^)

自分の記憶だと、その場面は、
「人間は犬に喰われるくらい、自由だ」
だったような…?
(両方あったのかな??)

どちらにしても、その場面はなんだか、命が自分だけのものではなく、果てしなく広がっていくような爽快感を感じたのを覚えています。


>「一般的」ってことは、必ずしも火葬にしなくてもいいってこと?

法律上は、火葬にしなければなりませんよ~。

だけど、粟国島で聞いた話では、本島の火葬場まで運ぶのが大変なので、いまでもお墓の中に入れっぱなしにしておく、昔ながらの「半風葬」にしている場合もあるのだとか。

それでもって、そこは泡盛を古酒にするために寝かすのに最適な場所でもあるのだそうです…(^。^;)
Posted by よーかい at 2006年11月14日 11:59
あ、そうか、「骨の髄まで、よくぞ喰ろうてくりゃんした」は、鳥に食われてる写真だったかな?
あの頃は藤原新也、読みまくったナ。
「インド放浪」「東京放浪」「乳の海」「丸亀日記」「全東洋街道」「アメリカ」などなど…。「山本寛斎・藤原新也対談集」なんてヘンなものまで読んだ(笑)。

でも、藤原さん、よくまあ、ガンガあたりであんなにバチバチ写真撮って怒られなかったよね。普通の観光客があれやったら、袋叩きにあうって聞いたことあるよ。よーかいさんはどうだった?

お墓で寝かせた古酒、飲んでみたいね。
今度離島にでも行ったら、島の知りあいにこっそり頼んでみようかな。
Posted by かり管1号 at 2006年11月14日 12:58
与論もね 海岸の近くの洞窟みたいな所に 
風葬されてたようで
ワタシがバイトしてた頃は
フツーは中には入ってはイケナイように 柵が
してあったらしいけど 覗くと人骨が あるよ~って 聞いた。
決まった年数が経つと 出して 骨を海で洗うって言ってたなー。
アノ頃は そんな風習聞いたことなかったから
ただ ただ怖かったなー。
フツーに人骨が 見える所に あるだなんて・・・(^◇^;)
Posted by at 2006年11月14日 14:26
>かり管1号さん

すごいな~!
よーかいは藤原新也さんの作品、「インド放浪」と「メメント・モリ」と「藤原悪魔」くらいしか読んでいません。。。(^。^;)
また読んでみよっと。

インドのガンガ沿いの火葬場では、よーかいは写真は撮っていません。
でも、何時間も眺めてはいましたけど…。

観光客ではカメラで写真を撮っている不謹慎なひともけっこういましたよ?

火葬場はともかく、普通にガンガを写すぶんには、まったく問題はないみたい。

そういえば、子どもの死体を抱えて歩きながら、観光客に写真を撮らせて、お金をとっているひとまでいました…いろんなひとがいるもんです。。。(; ̄ー ̄A


それから、ガンガ沿いで、犬が人間の死体を食べているのは、よーかいも目撃しました~。
Posted by よーかい at 2006年11月15日 11:41
>姫

たしか、読谷村だったと思うけど、10年前、地元のひとに案内されて、秘密の風葬の場所を見たことがあります。

もちろん、骸骨もたくさん転がっていたよ~。

たぶん、外部に公開していない場所では、与論島も沖縄各地も、その周辺の島々も、まだけっこうあるんじゃないかな?

実際にそこで風葬をしているかどうかは別として、まだたったの30数年前のことなわけなのだし…(^_^;
Posted by よーかい at 2006年11月15日 11:44
前から不思議な歌だなと思ってたんです。
人気の無い蒼い海に天から降る赤い花のイメージが美しくも怖かった。
風葬かあ。。納得!
Posted by みたぽん at 2006年11月15日 13:00
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